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2026年9月21日月曜日

工学系所属の数学者もあくまで研究者でなくてはまずいかもしれない

 EMaT 工学系数学統一試験
https://www.aemat.jp/exam/

こういうものがあるそうです。
(以下の内容は,この試験自体に文句があるわけではありません。)

これによれば,各大学の工学系大学院入試で採用された実績があるようです。
これまでの段階で,大学院入試における英語の試験はTOEIC等で代替されることがかなり一般的になってきましたが,数学の試験についても同様の対応がなされる可能性があります。
(本学にも上記試験のポスターが貼られた以上,運営サイドは目を付けていると考えるべきでしょう。)

これまで,地方大あるいは工学系でポジションを持つ数学者集団は,つい「自分達は入試のために存在している」という意味のことを二言目には口に出してこなかったか。

TOEIC的な動きが数学にも広まってくるようになると,組織としてはこの意味では数学者を採用する理由がなくなります。

ちなみに,直ちにということはないでしょうが,初年次教育の数学も「完全オンライン化」などを主張し,数学教員を無用のものと言いたそうにしている向きが現れ始めているので,「自分達は教養教育のために存在している」も存在意義の主張としては不十分に思えます。また,大変失礼ですが,その種の主張をする人達に向かって「大学の何たるか」云々を上段に構えて訴えたところで何もならなそうです。意思決定を行っているのは往々にしてそういう人達でもあります。

EMaTがなくても,森岡はあくまで研究者として振る舞っているつもりです。
森岡が知る限り,数学の教員は,自分の研究と学生の卒研・修論の指導とを「完全に別物」として切り離そうとする傾向が強いと感じています。
工学部出身の学生を持つので,純粋数学教育を受けていない学生をどうするか,困惑する気持ちは当然理解できるのですが,森岡は,この5年くらいはあえてその逆張りをしています。
やってみた結果,やり方次第でそれなりに何とかなる手応えを感じています。(低迷していた学会発表を地方部会では常態化するところまで立て直し,今年度は一流国際誌(数理物理学分野)への投稿論文発表を達成しました。)
工学系の組織に数学者を研究者であると認めさせるには,そういう実績は必要不可欠であると感じているところです。

2026年8月21日金曜日

【覚書】令和9年度 国立大学運営費交付金概算要求 (文部科学省)

 


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2027年度予算を巡る政府の基礎研究分野の概算要求案が判明した。文部科学省が国立大学の運営費交付金に前年度当初予算比で約1500億円増の1兆2512億円を求めた。実現すればこれまで過去最高だった04年度を上回る。
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国立大学(特に地方)の正常化には必要条件となる事項です。
確実に実施しなければならず、この先に向けてはさらに拡大していかねばなりません。
文科省が20年余りを経て運営費交付金の正常化方向に転換し始めたことは歓迎すべきことであり、引き続きこの方向を維持するとともに、財務省による全面的予算削減方針を完全に否定するところまで持って行くべきでしょう。

2025年12月23日火曜日

運営費交付金と研究助成(競争的資金等)は非相互補完

 今年度補正予算と来年度当初予算で国公立大学の運営費交付金正常化の動きが見られます。
財務省の抵抗を排し、長期的にこの方向性が保証されなければ、国公立大学の崩壊は致命的なものになることが予想されます。

これに関連して、国公立大学の内情をご存じない一般の方の認識を混乱させるような議論が目立つため、予算の違いについて整理しておきます。
結論として、運営費交付金の不足を競争的資金等による研究助成で補完することは制度上不可能であるということです。
財務省は任意の予算を削減することに注力しており、この件に関しても運営費交付金の不足を科研費等の競争的資金で代替させることが可能であるかのような虚偽情報を流布することによって、民意の混乱を企図しているようですが、制度の実態としてそうはなりません。
よって、運営費交付金の正常化が遅れることすなわち国公立大学の組織基盤の崩壊と同義となります。

1. 運営費交付金

運営費交付金は、使途を制限されない形で各大学に配分される基盤的経費です。
通常の運営に必要となる経費、特に安定的な形で雇用される教職員の給与は基本的に運営費交付金から支出されます。
ここ数十年にわたる運営費交付金の削減により、教職員を必要数採用することができず、組織基盤が崩壊してしまった事例が後を絶ちません。

2. 競争的資金等による研究助成

ここで言う資金の事例としては、

科研費(日本学術振興会)
安全保障技術研究推進制度(防衛装備庁)
JST-Mirai、CREST、ERATO、さきがけ(科学技術振興機構)
新エネルギー・産業技術総合開発機構公募事業

等による競争的研究助成、または民間からの研究助成等が該当します。

これらの予算では、高々有期雇用の任期制教職員を雇用できるのみであり、安定雇用の教職員は採用できないので、大学の人的基盤を支えることは不可能です。
なお、大学では任期付き教職員が担当できない業務が多数存在し、さらに教授以上でなくては触れられない情報や担当できない業務も存在します。

以上のことから、競争的資金は運営費交付金を代替しません。
運営費交付金の削減は、組織基盤の崩壊と同義となります。
また、運営費交付金の正常化による大学の組織基盤立て直しがなければ、これに基づく研究基盤・教育基盤も瓦解している状態になるため、競争的資金等の研究助成による所期の効果を期待できなくなります。

p.s.

なお、左派系など一部では「運営費交付金を削減して大学を締め上げ、``軍事研究"に誘導している」なる陰謀論も散見されます。
上記の理由により、私見ではこの論理は成立しないと考えます。
運営費交付金が削減され締め上げられているのは事実ですが、防衛装備庁の研究助成に当たっても、運営費交付金の代替にはならないからです。
防衛装備庁による研究助成の公募要領を見れば確認できることですが、公募研究課題にある程度の括りが指定される程度で、基本的に同予算は科研費とほとんど同じものです。

2018年10月18日木曜日

スペクトル・散乱京都今出川シンポジウム

開催日時が以下のように決まりました.


スペクトル・散乱京都今出川シンポジウム

下記の要領で, 研究集会「スペクトル・散乱京都今出川シンポジウム」を開催致します.

日時 : 2019年1月12日(土)-14日(月祝)
会場 : 〒602-8580 京都市上京区今出川通烏丸東入 同志社大学今出川キャンパス 良心館RY105
https://sites.google.com/view/specscattimadegawa2019/

2018年10月16日火曜日

日本数学会奨励研究生

日本数学会が新たな取り組みを行うようです.
緊縮財政で若手の研究環境は厳しいものが続いています.
こういう機会は一つでも多い方が良いように思います.

「日本数学会奨励研究生」の募集について(11月1日~11月30日)
http://mathsoc.jp/publicity/news20181003/2019shourei.html

2018年8月10日金曜日

有料雑誌への投稿関連メモ

熊本大学 URA推進室
ハゲタカジャーナルへの投稿リスクについて(注意喚起)
https://poie.kumamoto-u.ac.jp/URA-web/tool/tooltopics2.htm

最近, 「本雑誌には不適切だが, 同出版社の○○誌なら適当であると思われるのでそちらへ移管する」と言って完全有料誌に送られるケースがあったので紹介.
(なお, 私の体験したケースがハゲタカ誌であったかどうかは不明. 一応, 実績ある出版社なので多分違うだろうとは思うが.)

近年は文科省もopen accessを推奨しているし, 出版サイドも投稿料を支払えばopen accessにできるよう選択可能にしているところは増えていますが, 完全有料のところが稀にあるようなので, 論文投稿の際には注意が必要.

2018年5月31日木曜日

プレプリント投稿

瀬川悦生氏との共同研究のプレプリントを公開しました.

Hisashi Morioka and Etsuo Segawa, Detection of edge defects by embedded eigenvalues of quantum walks, arXiv:1805.11742.

2018年3月28日水曜日

プレプリント投稿

安藤和典氏, 磯崎洋氏との共同研究のプレプリントを公開しました.

Kazunori Ando, Hiroshi Isozaki and Hisashi Morioka, Inverse scattering for Schr\"{o}dinger operators on perturbed lattices, arXiv.1803.09499.

2017年12月6日水曜日