(有限)テイラー展開について.
テイラーの定理の証明方法は, 普通平均値の定理に持ち込んでやると思うが, 個人的に初学者に教える場合にはあまり好きではない(どうも「公式が空から降ってくる」ような感じがする)ので, 部分積分を使った方法で導出.
なお関数の滑らかさに関する仮定が強くなるのでそれはよくないのではないか, という指摘も受けたことがあるが, 機械工学の教科書をいくつか読むと, 重要なことは明らかにそこではなく後述の近似の考え方だと思うので, 剰余項に関する微妙な取扱いについては必要になってからで良いと自分は考えている.
テイラー展開の考え方の要諦は関数の多項式による近似.
剰余項は, n次多項式で近似するならば, 展開中心aの近傍でo((x-a)^n)となる.
実際, 力学の教科書等では, 非斉次の微分方程式を解く際, 非斉次項の「高次の項を無視すると」などとやることがよくある.
テイラー展開をちゃんと理解していれば当たり前だが, 非斉次項が多項式でない場合には戸惑う学生さんもいる模様.
なお, e^x, sin x, cos xのような基本中の基本となる関数のテイラー(マクローリン)展開はさすがに覚えておいたほうが吉.
次回は力学での実例を含めた演習問題.
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