2018年4月25日水曜日

解析学I 第3回

微分係数と導関数について.

まず, 高校でも学ぶ微分係数の定義から始めた.
幾何学的には, 関数のグラフの接線の傾きに等しい.
力学では, 微小な時間における微小変化率, つまり速度を表すベクトルに微分係数が現れる.

力学や機械工学における実戦的な微積分では, 微小変化率ではなく, 微小変化量から物理量を表す式や微分方程式を導出することがよくある.
そのため,

f(x+⊿x) - f(x) = f'(x)⊿x + ε(x),  ⊿x : 十分小さい

という式は常識として知っておかなければならない.
さらに, fが微分可能ならば, 誤差ε(x)は, ⊿x→0のとき⊿xよりも速く0に収束するという意味で非常に小さい.

フーリエ・ラプラス解析 第3回

三角関数の直交関係について.

まず, ``関数の直交関係"とは, 内積が0であるという意味で定義される.
関数同士の内積は, 線形代数と同様の性質を持つような積分で定められる.
(専門用語で言えばL^2内積.)

次に, L^2内積について, フーリエ級数の各項に現れるような三角関数は直交関係にあり, 正規直交基底に相当する性質を持つことを確かめた.
(関数の正規直交基底について, 精密な説明は割愛.)

2018年4月18日水曜日

解析学I 第2回

逆三角関数の定義.
定義域と値域のセットで理解すること.
簡単な確認問題を演習.

その後, 関数の連続性の定義と簡単な例.

次回から微分に入る.
今年度は, 機械系4力学や一回生の物理学を意識して, 微分の内容を進める予定.

2018年4月16日月曜日

フーリエ・ラプラス解析 第2回

熱伝導方程式の解を, 断熱境界条件(Neumann条件)と初期条件を与えた状態で求める.
変数分離型の解を求めると, (やや長い計算過程ではあるが)フーリエコサイン級数が自然に現れる.
同様のことを等温条件(Dirichlet条件)のもとで行うと, フーリエサイン級数が現れる.
これらがフーリエ級数の原型である.

次回から, フーリエ級数の具体的な取扱いや性質に入る.

2018年4月11日水曜日

解析学I 第1回

初回.

まず関数について.
関数は初等関数のような式のこと, ではなく, 変数に値を対応させる規則のことで, 定義域(とそれに伴う値域)とセットで考えるべきものである.

...ということは, 計算するだけならあまり気にしなくても良いが, 次回やる逆関数(特に逆三角関数)の理解においては重要なので, ことさら強調.
今日はその前段となる, 定義域を固定したうえでの1対1の概念についての解説と問題まで.

2018年4月9日月曜日

フーリエ・ラプラス解析 第1回

初回.

今日は物理・工学的題材の例として熱伝導方程式の導出.
細長い熱導体を仮定し, フーリエの法則と総熱量の変動の式から熱伝導方程式が導かれることを説明.

実際の物理的状況では, 初期温度分布と境界条件が必要であることまでを解説し, 具体的な解の構成は次回.