2018年7月27日金曜日

解析学I 第14~15回

力学で登場する代表的な常微分方程式として, 非斉次の2階定係数常微分方程式について.

バネの振動を題材とすれば,

m x'' + c x' + k x = f

において, 非斉次項fは外力を表し, 他方で左辺の方程式はバネそのものが持つ力によって得られる式である. (基本はニュートンの運動方程式.)

この際, 運動を表す x は以下の形をとる.

x = 斉次方程式の一般解 + 非斉次方程式の特殊解

非斉次方程式の特殊解は, 加えられた外力とおよそ同じ形を取ると仮定し, 右辺の式に対応して適切な関数を代入することで求められる.

その他, 単振り子の運動を導出する際に用いる極座標を用いたニュートン運動方程式の書き換えについての注釈.

2018年7月23日月曜日

フーリエ・ラプラス解析 第14~15回

熱拡散方程式の解の導出再論.
一般解の導出法は同様だが, 初期温度分布関数を具体的に与えた時, そのフーリエ正弦・余弦係数の導出法に多少の注意が必要.
(本講義前半で導出したフーリエ係数一般論の``公式"の形がそのまま適用できないものになっている.)

考え方は, 本講義前半で展開したフーリエ係数の導出を, この場合にも行えば良い.
具体的には, 三角関数の直交関係がこの場合にも成り立つ.

今年度の本講義はこれで終了.
7/30に期末試験を実施, 成績を評価する.

2018年7月11日水曜日

解析学I 第13回

定係数2階線形微分方程式について.
今回は斉次, 次回は非斉次の場合をやる.

斉次の場合には, 指数関数で解が与えられると仮定し, 特性方程式を解くことで一般解を導出できる.
この際, 1次独立な解を2つ見つける必要があるが, 特性方程式が重解を持つ場合だけは注意が必要.
また, 複素数解の場合には, オイラーの公式を適宜利用して物理的に実現される解に書き直すことにも慣れておくべき.

フーリエ・ラプラス解析 第13回

インディシャル応答の具体的な導出について.

m x'' + c x' + k x = f, x(0)=x'(0)=0,

で与えられる物理系の場合で求めた.
この導出そのものにおいては, わざわざラプラス変換は行わない方が楽.

次回はインパルス応答を導出するが, これは外力としてデルタ関数(これは超関数)を含むためどうしようか思案中.

2018年7月5日木曜日

解析学I 第12回

微分方程式, 特に変数分離型について.
次回は2階常微分方程式のうち, 力学でしばしばみられるタイプのものについて.

2018年7月2日月曜日

フーリエ・ラプラス解析 第12回

伝達関数法について.

前回のようにただ微分方程式を解くだけならそれほど有益ではないが, 制御工学のように, 「欲しい応答を与える外力を求める」等, 数学的には逆問題となるような設定の場合には必要になる.

外力と応答は伝達関数によって対応付けられる.
伝達関数は, 微分演算子のラプラス変換の逆数として与えられ, 外力には依存しない.

代表的なものとして,

インディシャル応答
インパルス応答

を導出.
さらに一般の応答は, これらを用いてたたみ込み積分として表示できる.
たたみ込みの詳細は次回.