2018年6月27日水曜日

解析学I 第11回

広義積分.
大きく分けて

1. 積分範囲が非有界
2. 被積分関数が積分区間内の有限個の点(多くの場合端点)で不連続

の2種類がある. (より一般の場合は割愛)
いずれも, 通常の定積分となるように積分範囲を打ち切り, 定積分を計算した後で極限を取り「面積」を近似することにより定義される.

収束判定には, しばしば x^{\alpha} が用いられる.

次回はこの演習問題.

2018年6月25日月曜日

フーリエ・ラプラス解析 第11回

逆ラプラス変換について.
連続関数かつ同じ指数位数を持つ関数のラプラス変換が等しいならば, 元の関数も等しいことを事実のみ紹介.
(より一般には, 不連続点を除いて等しい.)
このことから, ラプラス変換は1対1であり, 逆変換が可能であることが分かる.
逆変換公式を複素線積分により行う公式もあるが, この講義では複素解析をやっておらず, また実際の計算上もあまり実用的とは言えない.
よって, 基本的には変換表の逆をたどることにより行う.

次に導関数のラプラス変換を導出.
これを用いて常微分方程式を解く.
ただし, 機械力学や制御工学で現れるような2階常微分方程式を, なんでもかんでもわざわざラプラス変換により解くことは必ずしも得策ではないことに注意.
ラプラス変換で解いた方が楽であるということはあまりなく, たとえ非斉次方程式であっても, 外力項の形と力学的な常識から特殊解の形は容易に想像できるし, 斉次部分に対応する一般解も特性方程式を解く方が早い.

2018年6月24日日曜日

解析学I 今後の予定

第11回(6/27) 広義積分の計算
第12回(7/4) 常微分方程式(単振動)
第13回(7/11) 常微分方程式(放物運動と抵抗)
第14回(7/18) 曲線(速度ベクトルと曲線長)
第15回(7/25) 予備日(演習等)

期末試験 : 8/8(水) 1講時

フーリエ・ラプラス解析 今後の予定

第11回 (6/25) ラプラス変換の諸性質(導関数のラプラス変換等)
第12回 (7/2) 常微分方程式の初期値境界値問題
第13回 (7/9) 常微分方程式の初期値境界値問題
第14回 (7/16) 熱伝導方程式の初期値境界値問題再論
第15回 (7/23) 予備日(演習等)

期末試験 : 7/30(月) 2講時

2018年6月20日水曜日

解析学I 第10回

積分の演習問題.
2問ほど残したので次回解説.

次回は広義積分に入る.

2018年6月13日水曜日

解析学I 第9回

積分法初回.

積分は微分の逆であると定義される, わけではないので注意.
諸般の事情から高校ではこのように導入せざるを得ないようだが, 工学系でこの理解しかしていないと後々数値解析, 力学等で分からなくなることが増えるように思う.

ということで, 区分求積法や台形近似法を例としてリーマン和の考え方を解説.
これに基づいて定積分を定義し, 定理として「積分は微分の逆」を意味する微積分学の基本定理を導出.

2018年6月12日火曜日

フーリエ・ラプラス解析 第9回

ラプラス変換.

フーリエ変換, ラプラス変換は積分変換で, 元の関数と変換後の関数を行ったり来たりしつつ問題を解くのに用いられる.

ラプラス変換には変換表があり, 制御工学の教科書等にも載っている.
この表はやや取扱注意.
普通に使う分には構わないが, 関数は式と定義域がセットであり, たとえ式が同じでも定義域が異なればそれは違う関数になる.
実際, 定義に基づいてラプラス変換を計算すると別のものが出てくる.
表を使う場合には, それが表を使っても良い関数かどうかを定義域まで含めてチェックすること.

2018年6月6日水曜日

解析学I 第8回

テイラー・マクローリン展開の演習問題.

問1. 代表的な関数のマクローリン展開の導出.

問2. マクローリン展開を利用した極限の計算.

問3. 力学や機械工学でしばしば現れる近似の文脈に関する問題.

2018年6月4日月曜日

フーリエ・ラプラス解析 第8回

折り返し地点.

フーリエ級数の収束について.
関数項級数の収束には各点絶対収束だけでなく, 一様収束や平均2乗収束など諸定義がある.
本学科ではこのあたりのことを深入りする準備が難しいので, 滑らかな関数のフーリエ級数は各点絶対収束すること, 2乗可積分関数のフーリエ級数は平均2乗収束することを紹介.

平均2乗収束の証明の細部には立ち入らず, 代わりに, 通常の関数項級数と違い注意しなければならない事の例として, 不連続関数のギブス現象を紹介するにとどめた.

なお, フーリエ級数の計算問題程度でも, 絶対収束はしない点を持つが平均2乗収束はするというものはよくある.

1つだけスペクトル強度を求める計算問題の演習.

フーリエ級数の基礎的なことは一通り終えたので, 次回からは一旦ラプラス解析に移る.